かつて、職場の先輩方、同僚と、よく麻雀をしていた。
メンバーは6人。麻雀は4人で遊ぶゲーム。
その日、都合がついた4人が、仕事を終えて集まる。
5人になった時は、2抜け(半チャンを終えて、2番目の成績の人間が抜ける)。
ある日、博多駅筑紫口そばの雀荘に、どういうわけか6人が集まってしまった。
しょうがない、2・3抜けに。
先輩のKさんと小生が、2・3抜けになって、次のゲームを待つ間、ヨドバシ博多に行ってみようということになった。
オーディオコーナーをブラつくと、Kさんは、かなり真剣にステレオスピーカーやアンプを見つめていた。
それから程なく、Kさんは、「マッキントッシュ」の高級な真空管アンプを買った。
当時Kさんは、福岡市中央区赤坂の喫茶店『 松下記念館 』の常連で、音響に造詣の深いマスターの影響もあってのことだったかもしれない。
そして、一月も経たないうちに、タンノイのスピーカー「アーデン」を買った。
中古品ながら、80万円ほどだったと聞いたような …
ふた月もすると、真空管やスピーカーなどについて、驚くほどの蘊蓄を語るようになった。
ある日、Kさんの自宅に呼ばた。
部屋には、「アーデン」とオンキヨーのスピーカーが並んで置かれていた。
そして同じ部屋の置かれたガラスケースに並べられたライカやニコンの名品カメラにも目を奪われた。
そして、マッキントッシュの真空管アンプに繋がれたタンノイの音を聴かせてもらった。
おお !! さすが凄い音がする …
ぽつりとKさんが言った。” 正直、よくわからんちゃん … ” と。
何となく、腑に落ちた気がした。
前に、オーディオを語っていたKさんの言葉、誰だったか同じようなことを言ってたような … そうそう、五味康佑だ。
※ ※ ※
芥川賞作家の五味康佑氏は、音響・音楽にも思い入れが強く、書籍も出版していた。
Kさんは、県内屈指の県立高校から、現役でW大の政経学部に合格・卒業した秀才。
何事にも広い知見をもち、鋭い見識を示す人だった。
秀才の中には、あまたある情報の中から適切と思われる情報を選び出し、あっという間にそれらを記憶し、あたかも自分が発見したものであるかのように語る才能を有する人もいる。
そういえば、Kさんをよく知る友人のAさんが、
” 彼が撮った写真をほとんど見たことがない ” と言っていたのを思い出した。
もしかしたらKさんは、写真や音楽そのものより、名品のモノ(機器) 好き、蘊蓄好きだったのかも …
そんな話はともかく、小生は凡人、情報を整理するのは下手くそだ。
思いつくままに、聴いてみるしかない。
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