岸田首相は、明日5月1日から6日までの日程で、フランス、パラグアイ、ブラジルを訪問する。
GW期間中に日本を離れるのは、岸田首相を含め大臣20人中14人。
すでに旅立った副大臣・政務官をあわせると、計31人が37カ国を訪問予定だ。
報道によれば、今回の外遊にかかる経費は、単純計算で12.6億円にのぼるという。
歴史的な円安・物価高に苦しむ庶民を尻目に、税金で海外出張とはいいご身分である。
雁首そろえて、一体、何のために行くのか。
近年、この国に蔓延し続けているのは ” 私物化 ” の病である。
政治家から、官僚、財界人、学者などまで、社会の中枢にいながら、その地位と権力を利用して自己利益のみを追求する人々が増殖している。
平気で国を私物化する人々が跋扈するこのような日本社会を現出させているのは、国民の政治に対する姿勢に起因する。
言うまでもなく、政治家、官僚等だけの話ではない。
企業、学校、町内会など至る所で、こうした ” 私物化 ” の風潮は蔓延している。
ところで、今回のような外遊に必ず登場するのが副大臣や政務官だ。
昨年9月の第2次岸田再改造内閣で、副大臣26人・政務官28人の人事を決定した。
2001年に現行の副大臣・政務官制度が始まって以来初めて、内閣発足時の女性起用がゼロだったことが話題となった。
女性登用の点から問題がある … と。
そうかね …
マスコミは、根本をスルーする。
そもそも、2000年までは、副大臣、政務官なんてなかった。
各省庁のトップは大臣。そして、政務次官、事務次官。
それが、2001年(平成13年)の中央省庁再編に伴い、従来の政務次官を廃止して新設されたのが副大臣と政務官だ。
たぶん50人以上の議員が、その職にあると思う。
そうした職を設置する必要があったのかどうか、甚だ疑問である。
少し古いデータだが、副大臣2,821万円、政務官2,405万円が、その年間給与額である。
無論、これだけにとどまらない。
秘書業務を担当する各府省の事務官の人件費。さらには、公務とされるものの出張費や公用車の配置にかかる経費なども必要である。
これらを合わせると、多大な金額となろう。
やったもん勝ちの日本。
厭な渡世だ。
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