小さなビオトープの鉢を置いたきっかけは、ヒメタニシだった。
魚たちが皆逝ってしまった水槽の中で、ヒメタニシだけが生きていた。
水槽仕舞いを決意したが、殺生はできない。
で、ヒメタニシたちをベランダで飼うことにした。
そして、メダカやドジョウが仲間に加わった。
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ベランダに置いた鉢にヒメタニシが転居したのは2週間前。
鉢の中を見ると、ヒメタニシのベビーが数匹誕生している。
水槽のでコケ取りとして使われるレッドラムズホーンや石巻貝などは汚濁型の貝で、殖え過ぎると水質が悪化する場合がある。
一方、ヒメタニシは、他の巻き貝と違って水質浄化型の貝だ。
その水質浄化能力は極めて高く、かつコケもよく食べる。
さらに、ヒメタニシは卵生(らんせい)ではなく、卵胎生(らんたいせい)。
つまり、レッドラムズホーンのように卵を産まず、稚貝を産む。
なので、水槽や鉢のそこかしこに、卵を産み付けることはない。
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そんなヒメタニシ、 頭部にはよく発達した1対の触角があり、その根元付近の外側に目がある。さらに、一対の出水管と入水管も出している。
その姿はやや不気味で、見ようによっては『 風の谷のナウシカ 』に登場する ” オーム ” の様にも見える。
とは言え、地味ではあるが、種々大いに働くヒメタニシ。
人間の社会構成とも相通じる。
アクアリウムやビオトープの世界で、人気があるのもうなずける。
<「 ヒメタニシの赤ちゃん / ささやかなアクアリウム vol. 58 」はこちら>
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