ー 納豆鉢のこと ー

 

 

遅くまでの仕事を終えて、ヘトヘトで家にたどり着く。

冷蔵庫から、缶ビールを1本出して立ち飲み。

 

次は日本酒、電子レンジでチン。アテは納豆二つ。

それが晩メシ代わり。

 

勤め人時代、そんな日が度々あった。

 

 

      ※      ※      ※

 

 

納豆は、『 納豆鉢 』で混ぜる。

 

発泡スチロールの容器でそのまま混ぜると、箸先が容器に当たって「 キュッ、キュッ 」っと嫌な音がする。何か嫌いだ。

 

れに、容器の底に残ったネバネバが付いたまま捨てると臭いがするし、洗おうとしても洗いにくい。これも嫌だ。

 

なので必ず『 納豆鉢 』に移し替えて混ぜる。タレは「 後入れ派 」。

百回以上混ぜる。

 

そして、卵黄を一つ落し、タレを入れてさらに混ぜる。小ネギをのせて完了。

 

ちなみにこの『 納豆鉢 』、小鉢に持ち手が付いたもの。

普通の小鉢でもかまわないが、持ち手が付いているので混ぜやすい。

 

ご飯にかける時、納豆がこぼれないように片口が付いているが、ご飯にはかけない。

もっぱら、そのままざぶざぶすすって酒のアテ。

 

似た形状の茶器の「 湯冷まし 」も使えないこともないが、背が高く、口が狭くて混ぜにくい。おまけに、かさばる。

 

 

そんな『 納豆鉢 』を見ると、勤め人時代を思い出す。

チープな織部焼の鉢だが、お気に入りの道具だ。

 

 

 

「 ー 愛用のキッチン諸道具  2  ー はこちら>