昨日、三菱重工が開発を進めてきた「三菱スペースジェット」の開発断念の報道がなされた。
予想されていたこととは言え、残念でならない。
かつて、仕事でほんの少しばかり「三菱スペースジェット」に関わったことがある。
機体の設計・開発と言った計画の中心的なことではない。
愛知県で生産された機体は、引き渡しの前に飛行試験を行い、最終的な不具合などの確認と整備を行う。
その際に使われる飛行試験のための空港に『 北九州空港 』が候補の一つとなった。
航空機産業は、部品点数が約 300 万点ともいわれ、極めて裾野が広い産業であるうえ、技術的な波及効果も高い。
実現すれば、北九州空港及び周辺では、機体の整備に必要な整備工場や技術者の集積が進むことになり、自動車産業と同様に九州経済発展の柱になると期待を持ったのだった。
計画中止の理由については様々言われているが、専門家の間では『 技術力のレベルが原因 』というものが少なくない。
しかし、やはり腑に落ちない。
2015年11月、『三菱スペースジェット(MRJ)』の試験1号機は大空に舞い上がった。
以降、2020年3月に初飛行した最新試験機「10号機」まで、幾度も飛行試験を行っているのである。
しかし、結局、型式証明は取得できなかった。
型式証明が無ければ、買う航空会社はない。
何故、ブラジルのエンブラエル社、カナダのボンバルディア・エアロスペース社に出来て、日本の三菱重工に出来なかったのか …
日本は、技術立国を標榜した国ではなかったのか …
浅学なので、そう思惟してしまう。
私には、米国による「日本の航空産業潰し」に思えてならない。
<「 三菱リージョナルジェットとグラマン艦上戦闘機 F6Fヘルキャット 」はこちら>
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