『 博多祇園山笠 』と長法被 / ふと想起される言葉 vol. 111

 

昨日に続いて、今日も『 博多祇園山笠 』の話。

 

長法被は、山笠期間中に男衆が着用する久留米絣で作られた法被で、ステテコと雪駄(または下駄)が山笠の儀礼服。

 

博多祇園山笠振興会によれば、祭りに参加している人の『正装』であるため、山笠期間は長法被で結婚式に出席が許されるなど、独特のルールが存在しているそうだ。

 

 

 

1999年3月 、博多リバレイン内に「ホテルオークラ福岡」が開業した。

 

その年の山笠期間中、長法被姿の山笠関係者がこのホテルへの入館を断られた。

たぶん、雪駄や下駄がホテルのドレスコードに抵触したのだろう。

 

ドレスコードとは、服装規定のこと。

場所やシーン、時間帯に合わせた服装のルールだ。

 

まわりの人への配慮として、結婚式やパーティー、高級レストラン・ホテルでの食事などでは、ドレスコードに沿った服装をすべきというもの。

 

いわゆる一流のホテルやレストランなどは、その多くが独自のドレスコードを定めていると聞く。

 

 

この ” 入館お断り ”が、物議を醸すこととなった。

 

博多祇園山笠振興会は、長法被の装束は山笠の正装だとして、長法被による入館をホテル側に求め、地元メディアも巻き込んで大きな騒ぎとなった。

 

博多山笠は、伝統のビッグイベントだ。

 

開業したばかりのホテルが、地元の山笠関係者を敵にまわすのは、商売上、得策ではない、長いものには巻かれろってことか、結局、入館を認めることとなった。

 

詳細は承知していないので、色々言うのははばかられるが …

 

山笠の長法被は、謂わばイベントのコスチュームだ。

知事や市長への表敬で身にまとうのは、宣伝の意味も含めて当然のことだろう。

 

けれど、その場が、例えば、私にとって特別でな意味を持つ場で、ここ一番、意を決して予約した高級なフレンチレストランだったら …

 

自分たちで作った身内のルールと他者のルール、振興会のゴリ押し感が漂った出来事だった。

 

 

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