『 バターライス 』とは、米とバターを使った炊き込み料理だ。
米をバターで炒めてから炊く、あるいは、米を炊く際にバターを一緒に炊き込むか、また、ブイヨンを使うか否か、こうした違いはあるにせよ、いずれにしろ米の炊き込み料理だ。プロの西洋料理人はきっとそう言う。
しかし、昨今、炊いた熱いご飯にの上にバターを乗せ、調味料を加えたものもまた、『 バターライス 』と呼ぶ人もいる。
バターを乗せたご飯を『 バターライス 』と呼ぶ人が増えてきたのは、いつ頃からだろうか …
私の育った田舎町には、炊き込みのバターライスを添えて出す様な店はなかった。
なので、いわゆるバターライスなるものを食べたのは、大学生になって、洋食屋で食べた料理に添えられてたのが初めてだった。
とは言え、子どもの頃から、熱いご飯の上にバターを乗せ、醤油をたらして食べてはいた。まさに、深夜食堂 第5話に登場する『 バターライス 』そのまま。
けれど、『 バターライス 』とは言わなかったと思う。
バターご飯 ? バター掛けご飯 ? … って呼んでたような …
ところで、日本でバターが広まり始めたのは、明治期からだと言われている。
しかし、一般家庭で普通に使われるようになったのは、昭和30年代からだろう。
その要因の一つは、冷蔵庫の普及。
昭和30年代からの高度成長期に、冷蔵庫は爆発的に普及し、白黒テレビ受像機や洗濯機と共に三種の神器の一つと呼ばれた。
北海道では、戦前から食べられていた『 バターご飯 』だが、冷蔵庫の普及ととにもに全国の家庭にも広がっていく。
そう言えば、『 深夜食堂 第5話 バターライス 』に登場する流しのゴローさんと、料理評論家の戸山正夫の出身地はともに函館だったな …
ちなみに、ドラマで使われている醤油瓶はキッコーマン。
キッコーマンの “ しょうゆ卓上びん ” は、工業デザインの先駆者として世界的に有名なデザイナー、故 榮久庵憲司 氏によって設計され、1961(昭和36)年に発売された。
“ 持ちやすい、液だれしにくい、倒れにくい ” などの機能と、
スタイリッシュなデザインが評価され、誕生から50年以上そのデザインを守り続けている。
2005年(平成17年)には、ニューヨーク近代美術館の永久収蔵品に選ばれている。
これまで、色んな醤油さしを使ってきたが、バターご飯なら、やっぱりこの “ しょうゆ卓上びん ” でなきゃいけません。
お終いに、改めてバターの話。
マヨネーズやケチャップを切らしても、それほど困ったなとは思わない。
が、バターはとても困る。
トーストはもちろんのこと、焼きもの・炒め物には、バターが欠かせない料理は少なくない。ホームベーカリーの生地もそうだ。
『 技あり! dancyu バター 』は、薄めのムックだが、バターを愛してやまない人達の思いやレシピなどが、思った以上に掲載されている。
” わかる ” … つい、呟いてしまう。
バター好きの方には、何しろおすすめのⅠ冊だ。
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