春、秋の快適なシーズン、眼下に広がる景色を眺めながら食べる山メシは、格別に美味しい。
コッフェルをつつき、ソーセージなどを焼く。
そして、ゆっくりとコーヒーを飲む。
これが、冬の山となるとそうはいかない。
強い風が吹けば、体感温度は一気に下がる。
時にはガスも使えず、岩陰で行動食をほおばるなんてことも。
冬山のメシは、スピードが何より大切だ。
アルファ米は、長らく棒ラーメンや袋麺と並んで山岳主食の一角を占めてきた。
軽く嵩張らず、種類も豊富、かつ長期に保存できるので、災害時の非常食としても使われる。
弱点は、戻す時間だ。
熱湯で15分、水だと60分の時間を要する。
この15分は、山では長い。
冬場の縦走などではとても使えない。
2017年、菜食(vegan)食品の製造・ケータリングを行うULTRA LUNCH合同会社が、インスタントリゾット『 ビバークレーション 』を開発し、販売を開始した。
<開発のコンセプト>
1.少ないお湯のみでスピード調理できる
2.無添加の材料にこだわり、食べ疲れせ
ずに最後まで喫食できる
3.残り汁を捨てることなく、ゴミも少な
く楽しめる
<特 徴>
・軽量コンパクト:内容重量80g程度
12cm×18cmハガキサイズ
・調理スピード:お湯を加えて最速40秒、通常2分
・お湯の量:200㎖
・賞味期限:製造より2年
・カロリー:約400kcal
・味のバリエーション:トマトキック味、ホッター・ザン・カレー味、ポルチーニクリーム味、海苔茶漬け味の4種類
・Vegan対応:ビバークレーション自体は肉や魚など動物性食材を含まないVegan(菜食)仕様
その携行性と気圧の影響を受けにくい真空包装により、2017年、エベレスト遠征隊にも正式採用され、高い評価を受けたという。
ちなみに、カップヌードルリフィルの場合、
・重量:72g
・お湯:330㎖
・カロリー:約320kcal
『 ビバークレーション 』に使われているのは、一食当たり60gのインド米乾燥フレークで、アルファ米のようなご飯の食感はない。
で、味はどうかといえば、総じて ” まぁ、そんなもんです ” ってところ。
とは言え、そのコンセプトと機能性を考えれば、よくできた山メシだと思う。
冬の九重連山ならば、カップヌードルリフィルにするか、ビバークレーションにするか …
これは悩ましい …
<「 クッカーとマルタイ山の棒ラーメン & カップヌードル リフィル ー 山道具の棚卸し 連々話 vol. 13 ー 」はこちら>
<「 山とキャンプの道具たちvol. 2 」はこちら>
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