観賞魚に、ミジンコなどの生き餌を与えておられる方も少なくない。
ふと、坂田 明氏のことを思い出した。
坂田氏の本業はジャズサックス奏者だが、タレント、俳優の顔も持ち、タモリの友人でもある。
そして、もう一つ、ミジンコの研究者としても知られる。
広島大学水畜産学部水産学科卒業で、長年にわたるミジンコの研究・普及活動により、日本プランクトン学会から特別表彰され、東京薬科大学生命科学部客員教授を務めたこともある。
ミジンコか …
我が家のメダカたちは、数種の人口餌で飼育。
驚くほど産卵し、稚メダカも順調に成長しているので不安はない。
が、生き餌も与えてみたい気もする。
しかし、ミジンコの水槽を立ち上げるなんて面倒だし …
ブラインシュリンプならば … ?
ブラインシュリンプは、塩水湖に生息する動物プランクトンの一種で、水産の世界ではアルテミアと呼ばれている。
乾期などで環境が悪化すると、メスは乾燥に耐え長期にわたって休眠できる耐久卵を産む。
耐久卵は、乾燥した湖底で、時には数年間環境の回復を待ち、孵化する。
この耐久卵が、観賞魚用のエサとして販売され、ユーザーは、卵を孵化させて魚に与える。生き餌なので、魚の食いつきがよく、栄養価も高い。
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話は変わるが、ネットには、ブラインシュリンプの記事や動画がたくさんあるのだが、耐久卵を孵化させることを「卵を沸かす」と書いたものが、かなりの数にのぼる。
こりゃどう考えたっておかしい。
「沸かす」じゃなくて、「湧かす/涌かす」じゃないの …
「沸」は「沸騰」の沸。
液体が気化して蒸発するとき蒸気圧が温度とともに増大するが、蒸気圧が増して液体内部で気化がおきて泡になって表面に出て行く現象、すなわち液体が内部から気化する現象をいう。(「沸騰」出典:『日本大百科全書』)
確かに、耐久卵を容器に入れ、エアレーションしながら孵化させる様子は、湯を沸かすのに似てはいる。
しかし、エアレーションは、いわゆる「ブクブク」。
熱を加えて、気化させるわけじゃない。
さらに、エアレーションせずに孵化させることだってある。
字の意味から言えば、当然「湧かす」。” 虫が湧く ” と同じでしょ。
字の意味も考えずに「沸かす」を使ったのを、誰かがそのままコピペする。
それをまた、誰かがそのまま使う。
近頃、こうした類いのことが数多く見られる。
まぁそれはそれとして、メダカたちのために一発湧かしてみよう。
<「 孵化器 ニチドウ ハッチャー24 II でブラインシュリンプを湧かす ② / ささやかなアクアリウム vol. 47 」はこちら>
<「ささやかなアクアリウム」はこちら>
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