平成24年11月17日~19日に訪れたこのキャンプ場で、一匹のシルバーっぽい猫と出会った。
ー 「無事に冬を越すんだよ。今年は無理だけど、桃の花が咲く頃には、食べきれないくらいの肉やソーセージを持って来るから…」
そう心の中で呟きながら、キャンプ場をあとにしたのです。 ー
その時のブログに、このように書いている。
<「 キャンプ場のネコたち - くじゅうやまなみキャンプ村にて ー」はこちら>
猫のために、たくさんの食べ物を持ってこのキャンプ場を訪れるはずだった平成25年の春、
異動の命を受けた。それからの5年間は、形容しがたい激務となった。
キャンプはおろか、遠出すらできない日々。
その出会いから、早8年が過ぎてしまった。
あの時出会った猫は … 飯田高原の環境はとても厳しい。
ノラ猫が、たやすく生きていけるところではない。
その時「ミー」と呼んだあの猫(娘)が、いるはずはない。
今回のキャンプ2日目、キャンプ場内のフリーキャンプサイトAを歩いた。
遠くに黒い生き物が3匹いて、何か食べている様子。
何かな …
2羽はカラス、もう一匹は ?
黒い犬 ? タヌキ ?
いや、毛のフサフサとした真っ黒い猫だ。
近づくとカラスは飛び去ったが、黒い猫はヤブに走り、こっちを見ている。
呼んでみたが、かなり警戒している。
このキャンプ場に居着いているノラ猫のようだ。
テントに戻って食事の用意をしていると、その黒い猫がやってきた。
フリーキャンプサイトから、オートテントサイトまで200メートル以上離れてる。
わざわざやってきたのか。
10メートルほど離れたところから、こっちを見ている。
腹が減ってんのかな、しかし何もないな …
テングのビーフジャーキーを投げてみると、ほとんど噛みもせずに食べた。
で、また見てる。また投げる。結局、全部やってしまった。
テングって、高いんだけど … しかし、まだいる。
見た目まんまの「クロ」という名前を付け、「クロ、クロ」と呼びながら、朝飯の残りのソーセージ2本をちぎって、少し近くに投げてみると、寄ってきて食べる。
やっぱり、まだいる。
万が一「ミー」がいた時のためにと買っていたイナバのパウチのことを思い出し、小皿に入れて、数メートルのところに置くと、ペロリとたいらげる。
う~ん、しょうがないな …
酒のつまみにと買っていた「さんま蒲焼」の缶詰を開けて、缶ごと数メートルのところに置いてみると、寄ってきて全部食べた。
近づくと逃げるが、遠くには行かない。
そして、数メートル離れたところに座り、丸くなった。
まだ、食べ物が欲しいというわけではなさそう …
やがて、何処かへと帰って行った。
3日目、撤収の朝、日が昇って暖かくなった9時過ぎ。
クロがまたやって来た。朝のあいさつのつもりか …
取っておいた豚肉などを少し温めて、やってみたが食べない。
腹は減っていないようだ。
牛乳をやると、美味そうに飲んだ。
そして、しばらく近くにいたが、いつの間にかいなくなっていた。
テントなどの撤収作業を終えたのは11時過ぎ。
荷物を車に積み終えた頃、またまたクロがやって来た。
あいさつに来たのか? 律儀なヤツだ。
考えてみると、8年前に現れた「ミー」の時とシチュエーションがよく似ている。
クロの毛はフサフサ。
寒いところで暮らしているとはいえ、毛が長いのは、遺伝的なものだろう。
ミーもフサフサだったよな …
毛色は違っているけど、この二匹は似ている。
もしかしたら、クロはミーの子供かも …
人と生き物にも、時に数奇な出会いがある。
岩合 光昭氏は、猫たちを ” 天使の化身 ”と言う。
わずかばかりの食べ物と引き換えに、天使は、暖かいギフトをそれとなく残していった。
<「 ー 猫たちのページ ー 」はこちら>
<「くじゅうやまなみキャンプ村 キャンプ Part1 ( テント ・ファニチャー・アイテム 編 )」はこちら>
<「くじゅうやまなみキャンプ村 キャンプ Part 2 ( 酒食編 )」はこちら>
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