一所懸命 ー ふと想起される言葉 vol. 15 ー

 

 

 

今日は3連休の中日だが、職場に出た。

 

3月末の退職に向け、身の回りの整理と事務引継書作成のためだ。

 

これまで、どの職でも、辞令をもらうまでは、手を抜くことなく一所懸命に働いた。

 

澄んだ、晴れやかな気持ちで次の職場に移れるよう、もうひとがんばり。

 

” 一所懸命 ” か …

 

中学の時の国語教師、M先生が教えた言葉だ。

 

M先生は、国語辞典で有名な言語学者の金田一京助氏の門下で学び、大学で教鞭を執ったのち郷里に戻り、中学で国語を教えていた。

 

 

 

「一所懸命」、ひとところに命をかける。

 

武士は、所領を守るために、命を懸けて戦う。

一生懸命など全くの誤用だ。言葉の意味をしらぬ者が誤って使い、それが広まったと。

 

それから、50年近くが過ぎ、現在では、もう誤用とは言われなくなっている。

けれど私は、先生の教えに従い、一所懸命しか使ったことがない。

 

先生は、「すみません」のことも教えた。

大抵は、「済みません」を使うが、これも元は、「澄みません」だったと。

 

例えば、ー あなた様にこのようなことをしていただき、私の心は澄みません ー。

だから、「済む」ではなく「澄む」が正しいと。

 

さすがに、この「澄みません」は使わないが、そのことを忘れたことはない。

 

 

 

通勤で、この駅舎を幾度使っただろうか…

 

オンボロの時代から、その変わりゆく様を見てきた …

 

4月以降は、それもなくなる。

 

 

 

 

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