子供の頃、我が家はまるで雀荘のようだった。
仕事を終えた親父が、三日にあげず同僚を連れてきては、マージャンをやっていた。
今ではとても考えられないようなことだが、うちに限らず、当時は珍しいことではなかった。
マージャンをやりながら食べるメシは、店屋物の丼が多かったが、時々は寿司もあった。
寿司は、たいてい鉄火巻。
皆、左手でつまんで口に運べて、程よい量の鉄火巻を好んだ。
田舎の鮨屋とはいえ、料亭が営んでいた人気店の鉄火巻。
子供の私も、大人気取りで、一緒に同じ鉄火巻を食べた。
脂の乗った鮪とシャリのバランスがよく、上質な海苔の香りも格別によかった。
ところで、鉄火巻の由来は諸説あるが、その一つに、昔、鉄火場(バクチ場)で、博打を打ちながら食べられる手軽な食事だったからという説がある。
子供の頃にたびたび繰り返された前述の出来事もあって、この鉄火場説を支持したくなる。
今でも鉄火巻は大好物で、たまに食べるが、旨いねって思わせてくれるものは多くない。
時々、博多阪急地下の「 寿司 藤けん鮮魚店 」に立ち寄る。
フードコーナーの一角にあるカウターだけの店で、回転寿司のような雰囲気だが、鮮魚店も営むこの店の鉄火巻は、なかなかいい。
その鉄火巻を肴に飲む酒は、また格別に美味い。
今宵は、鉄火巻き2皿 880円、生ビール 572円、冷酒 682円、しめて2,134円。いやいや、満足満足。
ところで随分昔、「 紅しょうがとラーメン、そして想夫恋の焼きそば - ハイリスク食品 紅しょうがを考える - 」を書いたこともあって、小生が紅しょうが嫌いで食べないと思っておられる方もいらっしゃるようだ。
そんなことはございません。確かに、よく目にする不自然に赤い紅ショウガは口にせんのですが、美味しくて酒のあてになる寿司屋のガリは食べるのです。
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