前回、市販のソースなどをブレンドして想夫恋風のソース作りに挑戦した際、もっとも注目したのが「アミノ酸液」だ。
写真は、その当時の2012年頃の想夫恋焼きそばセットの成分表示だ。
以下、その頃の記述を再掲する。
(株)想夫恋「想夫恋セット」付属のソース成分を観ると、
玉ねぎ、リンゴ、トマト、にんにく、醸造酢、砂糖、食塩、アミノ酸液、カラメル色素
の9種類のみ、とてもシンプルです。
スーパーなどで売られている『 カゴメウスターソース 』の原材料は、
果実(トマト、たまねぎ、にんじん、その他)、醸造酢、糖類(砂糖、ぶどう糖)、食塩、アミノ酸液、香辛料、発酵調味料、カラメル色素、香辛料抽出物、甘味(甘草)
と記載されています。
原材料の中で、なじみのないものが『 アミノ酸液 』です。
これは、大豆や小麦グルテンなどのたんぱく質原料を分解し、炭酸ナトリウムなどで中和したものです。
よく似たものに調味料でよく使われている「アミノ酸等」があります。
こちらのほうは、グルタミン酸ナトリウムであり、微生物の働きによって糖蜜やでんぷんから作られるもので、同じアミノ酸の名があっても両者は別物です。
アミノ酸液は、甘いといわれる九州の醤油ではよく使われているもので、その醤油がラーメンのスープにもよく用いられます。
ー 以上 ー
当時の記述ではわかりにくいので、調味料メーカー ヤマエ食品工業の記事を掲載する。
ー アミノ酸液と調味料(アミノ酸等)ー
市販されている醤油には一括表示として名称・原材料名・内容量等、様々な情報が記載されています。その中の原材料名に大豆、小麦、食塩等の原料名の後に添加物が記載されており醤油の中にはアミノ酸液、調味料(アミノ酸等)と書かれている商品があります。
このアミノ酸液と調味料の中のアミノ酸はどう違うのかを説明したいと思います。
アミノ酸液というのは脱脂加工大豆や小麦グルテン等の植物性蛋白質を塩酸で分解してグルタミン酸、アスパラギン酸、アラニンなど多くのアミノ酸を作り炭酸ナトリウムで中和した、旨味の強い液体調味料です。第二次世界大戦後に生まれた技術で、九州地方ではこのアミノ酸液の味が好まれています。
また調味料(アミノ酸等)というのは食品添加物でJAS法においてはアミノ酸系、核酸系、有機酸系の3種類がありその中のアミノ酸系はグルタミン酸ナトリウムが主で、他にもアラニンやグリシンがあります。JASマークのついた醤油に記載されている添加物は全てJAS法で使用が認められている添加物です。どちらもアミノ酸と名前がつきますが原料と添加物という大きな違いがあります。
(出典:ヤマエ食品工業HP)
上記ヤマエ食品工業HPの記述のとおり、確かに原料と添加物という大きな違いがあるのだが、原料であるアミノ酸液など、一般人は味をみたこともなければ手に入れることもできないので、その違いは実感できない。とは言え、どちらも「うま味成分が凝縮されたもの」であることは理解できる。
前回の挑戦では、総じて「うま味」が足りないと思った。
(株)想夫恋は、そのソースに「さわやかな風味とベトつかずあっさりとした仕上がり」を謳っている。そしてそのソースづくりに、うま味をまとめるアミノ酸液が使われている。
そんなことで、ベタつかずにうま味を補強するため、化調(アミノ酸等)を使うのもありだと思った次第。
<「想夫恋風のソースづくり
ブレンド編 Season2」はこちら>
<「想夫恋のブログ」はこちら>
コメントをお書きください