周知のとおり、「うま味調味料」とは、「味の素」に代表されるうま味を刺激する物質を人工的に精製した調味料だ。
かつては「化学調味料」と呼ばれていた。
1980年代に入り、グルメブーム到来の中、「味の素」が、かつて石油由来の原料から合成法により生産されていたことが巷に流布された。
右の「味の素はもういらない」も、そんな最中の1987年に出版されたのだ。
加えて、「化学」から連想される化学合成食品、或いは非自然由来食品といったネガティブなイメージも広がってく。
そして、「 無添加 = 健康にいい = 安全・安心 」となっていく。
1990年以降、こうしたイメージを転換させるため、各種の法令上の標記が、化学調味料からうま味調味料へと順次変わっていく。
一方で、ラーメンオタク、ラーメン通の間では、化学調味料 → 「化調」そして「無化調」、化調転じて「課長」といった言葉が今でも使われている。
ところで、昨今、ラーメン好き、ラーメン通の間では、「化調」の肯定派と否定派の間で、まさに、侃侃諤諤、喧々囂々の議論が交わされている。
化調を使うラーメン店の調理台で、驚くほど多量の化調が投入されるのを体験している人は少なくない。
その代表は、何といってもラーメン二郎だ。
支持者は肯定派と言うより不可欠派、それも大量。
ラーメン二郎、二郎系、インスパイア系の店では、普通のラーメン店の何倍もの化調が使われる。
その化調が、キリン協和フーズのうま味調味料 グルエースと言われている。
使われている化調を確認したわけではないので、何かはわからないが、それでも、何らかの化調が相当量に使用されていることは事実だ。
ちなみに、ラーメン業界では、化調で「味を決める」あるいは「味をまとめる」と言う。
この辺のところも含めて、ラーメンを科学的に解明したのが「ラーメンを科学する」だ。
機会があれば、お読みいただくとよい。
今回、想夫恋風の麺づくり挑戦と併せ、もう一度、ソースづくりもやってみようと思う。
前回、市販のソースや醤油などをブレンドして、想夫恋風のソースづくりに挑戦した際は、
一度も、うま味調味料を使用しなかった。そのためなのか、イマイチ味が決まらなかった。
今回のソースづくりでは、よりシンプル作ることを念頭に、味を決めたい。
そのために、うま味調味料を使うことにする。
使うものは、味の素、ハイミー、いの一番、グルエースの4つ。
どれがどうだなんてことは、考えない。
どのうま味調味料だと想夫恋風のソースのような味に近づけるか、それだけで比べてみようと思う。
それにしても、グルエースは1Kg。
一般家庭で使われている味の素のアジパンダ瓶は70g入りで、約14個分。
この一袋、一人で全部消費する ? 私はジロリアンではないし、使えますかね …
(次回につづく)
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