道具部屋のものの多くは山の道具だが、フライパンなどのキッチン道具も少なくない。
その一つが、アトラス パスタマシン150。
かつて、想夫恋風の焼きそばを頻繁に作っていた頃に使っていたものだ。
当時、アップしたものの一部が下の写真だ。
想夫恋風の焼きそばに挑戦し始めた頃、はじめは色々な市販の麺を使って作っていたのだがどうも満足いかない。大方のものは、コシ、香ばしさが足りない…
で、アトラスのパスタマシンで生パスタを作っていたのを思い出して買ったのが、中華麺に向いたカッター幅2mm/3.5mmの付属した「 麺道楽 アトラス150 」だった。
他にも、こね鉢、粉ふるい、麺棒、かん水 等々、道具や材料を買って麺作りを始めた。
<「- パスタマシンで作る想夫恋の麺 -」はこちら>
<「 MARCATO 麺道楽 アトラス パスタマシン 150」はこちら>
当時の記述は、
< 中華の生麺は、強力粉、中力粉、薄力粉などの小麦粉の質とその配合割合、加水率、かん水、そして太さで、食感が全く異なってきます。
自作の中華麺は、強力粉ストレート、強力粉 /薄力粉 ブレンド、準強力粉、そして、加水率は30~40%、太さは1.5~2mm位を組み合わせる。
想夫恋の焼きそばの麺が、どのような粉と割合で作られているのか判らないので、色々試してみるしかありません。 >
手打ちの中華麺を作るには、生地を保冷熟成させる時間が必要だし、でき上がってから寝かせる時間も必要だ。仕事のある平日は難しいので、休日に麺を作って寝かせて、平日に焼きそばを作る。
ところが、問題が一つあった。ネギの入手だ。
想夫恋焼に向いた、大ネギ、青ネギ、九条ネギなどの類いは、近所のスーパーに置いていないことが多い。焼きそばを作りたい時にネギがない …
そんなことが何度もあった。
そのうち仕事がとても忙しくなり、休日は寝てばかり。
平日も焼きそばを作ろうなんてとてもとても…。満足な成果が得られぬままに中断…。
最近、ようやく普通の生活を取り戻し、中華麺作りもできるようになった。
ところで中華麺作りは、想夫恋ファンにとって、想夫恋焼をより深く知る上でとても良い経験になる。
想夫恋焼は、同じ店でも、時に大きく出来が異なることがある。
出来のよい想夫恋焼は、麺を焼いている時から、焦げたグルテンのいい香りがする。
想夫恋各店に、本部から届けられる麺やモヤシなどの食材は毎日ではないし、届けられた食材は時間の経過とともに変化する。麺の場合だと、熟成が進んでいく。
麺は製造からの時間の経過とともに、締まって固くなり、麺にツルミ、弾力、透明感が出てくる。
そして、コシの強い茹で伸びしにくい麺になる。
一方で、小麦粉の風味は時間の経過とともに損なわれていく。
なので、麺やモヤシなどの状態によって、出来に違いが出ているのではないか…そう思う時がある。
想夫恋の焼手は、その辺も見極めながら作らなければならない。大変でございます。
麺を知り、作ることで想夫恋焼がより深く味わえるようになる。
それにしても、小麦粉(強力粉・準強力粉・薄力粉)の種類やブレンドの割合、かん水や塩、水の量などを書き留めていたレシピ帳は行方不明。当然、中華麺に適した小麦粉やかん水もない。
小麦粉にかん水、久々に買って再挑戦。
目指すのは中華麺ではなく、想夫恋焼の麺だ。
< 想夫恋(株)「想夫恋の「焼き」の技術にぴったりくる麺をもとめて。」はこちら>
<「想夫恋のブログ」はこちら>
【コラム】
< 想夫恋物語 ー 類似品との違いー 焼きそば60年余の歴史 (株)想夫恋 >
ー 昭和45年~47年頃になりますと、麺屋さんが想夫恋の焼そば用麺として各食堂やラーメン店の販売を始め、遠回しに間接的な表現で、想夫恋で使用している麺として売り出すようになりました。
内容は全然異なりますが、原料選びも吟味もいらない。安くて失敗も少ない。イベント用、祭り用、お好み焼き風の炒め物に変えれば簡単に素人でもできるようにしています。
想夫恋の焼そばを知ったお客様はそれを許しません。手間と時間と暇ばっかりかかり採算は合いません。なのに、味も出来も炒めとはそう変わりません。逆に、炒め焼そばの方が美味しい場合もあります。
なぜ、こんなに想夫恋の焼そばが製法にこだわらなければならないのか。お客様だってそう思っている人が多い。今どき、そんな違いがわかる客なんていやしない。私自身もそう思ったことがしばしばありました。
しかし、想夫恋を支えるお客様は、それを許しません。変えることに賛成もしてくれませんでした。それは、伝統の、日田を発祥とした想夫恋の意味がなくなる等々でした。 ー
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