ある時代劇のワンシーン。
男がいろり鍋を持って、部屋に入る。
漆黒のいろり鍋の中には、白いダイコンしか入っていない。
” こんなものしかありませんが … ” と言って、火鉢に載せる。
もう一人の男は、鍋の中のダイコンを小皿に取り、タラリと醤油を垂らし、口に運ぶ。
” よく煮えてますね … ”
二人の男は、ダイコンを酒のあてに、黙って酒を酌み交わす。
今のご時世、寡黙で不器用そうな男たちの姿は魅力的だ。
今日は、そんなダイコン煮。
いきなり、鍋にダイコンを放り込んでも美味くはない。
ブリ大根などの料理の際、下茹でしたダイコンを取り置き、冷蔵庫にストックしておく。
いろり鍋に昆布出汁を入れて沸かし、ストックのダイコンを入れて煮るのみ。
昨今、インスタ映えなんぞと少しうるさい。
酒のあては、質朴の方が粋だ … てなことで。
ちなみに、今宵の鍋は「イシガキ産業 いろり鍋 15㎝ 鉄鋳物」。
中国製の鋳鉄鋳物で、内側は黒のホーロー仕上げ。
安価だけど、使える鍋だ。
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