社会人になって間もない頃、宗像市神湊の「魚屋旅館」で、会社の打ち上げが行われた。
翌日の朝食で出されたのが、「鯛茶」だった。
美味しかった。それまで食べたどの鯛茶漬けよりもうまかった。
そんな鯛茶漬けを作ろうと、何度も試みたものの満足いかなかった。
それから長い月日が流れたある日、(株)魚屋の代表取締役の吉武邦彦氏と同席する機会を得た。
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厚かましくも、吉武氏にタレの製法を尋ねたのだが …
何しろ秘伝のタレのこと、多くは語らなかったが、ポイントはゴマだと。
” 大量のゴマをペースト状になるまで摺ってダシで割る "と。
解っていたつもりなんだけど …
やっぱ、ゴマだよな … と改めて納得。
そうは言っても、大量のゴマを擂り粉木でするのも面倒なんですよ。
色々試した末、今はもっぱら「簡単に」となった。
<材 料>
・ 鯛の刺身サク
・ ゴマペースト
・ いりごま
・ めんつゆ(ニビシ四季のつゆ)
・ 醤油、砂糖
・ ワサビ、刻みノリ
・ 錦城印 昆布茶
<手 順>
① 刺身を7~8ミリにひく。
② ゴマペーストをめんつゆで伸ばし、
醤油、砂糖を加え、好みの味にする。
③ ①の刺身を加えて和える
あとは、適当に。
邪道と笑うなかれ、馬鹿にできない味だと思う。
先ず、そのままで酒のあて。
そして、お椀にとり、昆布茶のだしをかけると、立派な吸い物になる。
飲んべえには、もってこいの肴だ。
ところで、だしを注ぐ器は中国の茶器。
200mlほどの容量で注ぎ口が小さいので、日本の急須より注ぎやすい。
秀逸な道具だ。
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