数年前から、3千円ほど中華デジタルアンプがちまたで評判となりはじめた。
とりわけ、米国Tripath社のICチップTA2020-020搭載のものは、ハイエンドアンプに匹敵するほどの音を出すと。
で、4年前、Lepai デジタルアンプ LP-2020-020を買ってみたのだが、これがハズレ。
ちゃんと音が出ずに返品。
中華ブランドは、一か八か。
米国Tripath社、今はもう無い。
なので、ICチップTA2020-020搭載のアンプも市場から消えていくことになる。
デジタルアンプなら、FOSTEXのアンプ AP15dを持っている。
スマホほどの大きさながら良い音を出してくれる。
不満はないが、真空管アンプと比べられるものじゃない。
ICチップTA2020TAはどんな音なのか、一度はちゃんと聴いてみたかったなぁ …
そんな気持ちが残ったままだった。
やっぱり、悔いを残しちゃいけません …ってことで決意。
また、一か八か。
今回は、FX-AUDIOの FX-2020A+ CUSTOM。
Amazonで9,800円の代物。
<「 後悔の3,000円中華アンプ - Lepai デジタルアンプ LP-2020A -」はこちら>
<「カメラ・AV」はこちら>
後日、小さな箱が届いた。
小さな紙片1枚の説明書が入っているのみで、ACアダプターなどの付属品は一切なし。
幸いFOSTEXのアダプターが適合したのはラッキー。
フロントは、黒のサテン艶消しアルミ板、シャーシはシッカリ組まれている感じで、外見はすこぶる良し。
インプット、アウトプットともに一つずつ。
まず、接続、無事、通電。
音は出る。あ~、良かった。
さて、肝心の音の方は、
一言で表現すれば極めて美しい。
まるで、目前の空間に七色の宝石が浮遊しているかのごとく。
30センチのウーハーを苦もなく稼働させて出される低音の輪郭は、ライブハウスのようだ。
全体の解像度も非常に高い。
さらに、トーンコントロール(BASS/TREBLE)とトーンダイレクト機能が付いているのも高評価。
ふと我に返った。無意識に、真空管のアンプと比較している。
1万円のデジタルアンプが、20万の真空管アンプに匹敵するというのか …
骨董品のようなラックスマン ラインセレクターを引っ張り出した。
入力ラインが4つある。
① タブレット音源
② CDプレーヤー
③ LPレコードプレーヤー
の3つをつないだ。
改めて、ヨーヨー・マ、サザン、柳ジョージ、ダイアナ・クラールのアルバムを、
タブレット音源、CD、LPレコードでもう一度聴く。
ヨーヨー・マ氏のリベルタンゴは、チェロはもちろんのこと、バンドネオンの響きは秀逸。
サザンのいとしのエリーを聴けば、こんなに色々な音が入っていたのかと今更ながら驚いた。
どれも、すべからく隙がない。
言い換えれば、ー 表現が適切でないかもしれないが ー
とても秀麗な美人と向き合って緊張を強いられているような気分か…。
もしかしたら、聴き疲れ…???
にわかには、評価できない。
それにしても、ICチップTA2020A-020、恐るべし。
真空管ライフに転換が訪れるのだろうか …
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