焚き火は、男のロマンだという人がいる。
アートだという人もいればエンターテイメントだという人もいる。
多くの人が焚き火に魅せられ、焚き火が心地よいと感じる。
太古の昔から火を使いこなし、火とともに暮らしてきた人類にとって、
赤く燃える火は安心をもたらすものだったろう。
赤々と燃える焚き火を見ていると、遺伝子に刻まれた太古の意識がよみがえるに違いない。
田舎育ちはの私は、子供の頃、庭でよく焚き火をした。
落葉や小枝を集めて火をおこし、立ち枯れの木を薪にした。
サツマイモはもちろん、近くの小川ですくったドンコやザリガニをアルミホイルで包んで焼いた。
火の使い方、焚き火のやり方を、遊びの中で自然に覚えた。
余談だが、近年、火を使えない人が少なくないという。
確かに、家庭では電化が進み、ガスコンロが年々減っている。
家の中にタバコを吸う人間がいなければ、ライターも必要ない。
また、たとえ私有地の中でも、ゴミを燃やさないルールを設けている行政区も多い。
「火」が遠いものになり、あつかいを知らない人が増えるのも無理のないことだ。
さて、「焚き火の達人」の著書もある伊澤直人氏は焚き火の効用を、
1) 暖をとる (衣)
2) 調理の熱源 (食)
3) 灯り (住)
4) 癒やし効果 (心)
の四つに分類している。
私の場合、なんと言っても「癒やし」だ。
ぼんやりと焚き火の炎を眺めながら、ゆっくりと酒を飲む。干物を炙ってあてにする。
こんな愉しみ方はキャンプでしかできない。
1台目(上段)は、ユニフレームの焚き火台。
比較的軽く組み立てやすい。
2台目(下段)は、コールマンのファイアーステンレスプレイス。
どうだ焚き火台だぞって雰囲気。重厚長大な道具だ。
ある夜、Amazonで、通常より5,000円近く値引きされていたのを見て衝動買い。
なにしろ重い。撤収がかなり面倒な道具だ。
※ 写真は、2009/08/30泉水キャンプ場と2011/11/28九重やまなみキャンプ場
ちょっと炎が出過ぎ。鍋は、もう少し火が落ち着いてから乗せないといけません。
そして3台目が、コールマンのファイアーディスクだ。
スポーツオーソリティで初めて目にした時は、それはそれは愕いた。
” なんだこれは !!! ” 何しろまん丸だ。
それまでの焚き火台のごついメージ、固定観念をひっくり返すものだった。
写真では白く見えて、まるでパラボラアンテナのようだが、
実物は、つるつる・ピカピカ・ギラギラで、まるで平たい大きなステンレスボウルか、
はたまた、現代風の水盤のようだ。
こんな形で、本当に焚き火ができるんだろうかと思った。
やがて、2017年度のグッドデザイン賞を受賞した。
グッドデザイン賞のHPに以下の記載がある。
<デザインコンセプト>
簡単3秒設営が可能な足。継ぎ目のないデザイン性と灰を片付ける際に便利な機能性が両立した表面。
<背 景>
焚火はテントの設営、クッキング、その他の準備を終えた後などに通常は行われます。 それはビギナーにとって少し時間のかかるというのが現状です。
我々はそんな人たちに煩わしさから解放されて、焚火では準備に時間を取られたりすることなく、少しでも語り合ったりする時間を多くしてほしい。そんな思いから開発はスタートしました。
そして私たちは昨今のキャンプ場では芝の保護という事情からできなくなってしまった焚火の原点である自由な直焚火に着目し、その良さを焚火台で表現する、そしてそれは直焚火同様に驚くほど簡単であることをコンセプトとしてこの商品のデザインは生まれました。
<審査委員の評価>
アウトドア初心者にも簡単に焚火を楽しんでほしいという、ユーザー視点の設計思想がものづくり全体に貫かれている。使用時の機能性、清掃時の機能性、収納時の機能性を、4点の部品からなるシンプルなデザインの中に見事に体現している。飽きのこないミニマムなデザインながら細部のつくり込みも上質だ。
コンセプト、背景ともに私が求めるものだった。
アウトドア雑誌の評価も上々だった。
もう買うしかないと思った。
とにかく軽い。本当に数秒で設営できる。
そして、収納袋、焼き網が付いて4千円台とリーズナブル。
まだ使えていないが、この春のデビューが楽しみだ。
相当に期待している。
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