屁糞葛(ヘクソカズラ)も花盛り - ふと想起される言葉 vol.2 ー

 

 子供の頃、家族でテレビを見ていると、祖母が ”  へくそかずらも花盛りだね ” と言った。

 

どういう意味と聞くと、

そこらにあるあの葛、あれはヘクソカズラという。葉や茎が臭くて人に好まれない雑草。

 

そんなヘクソカズラもきれいな花を咲かせる。人も同じ。そんなことを言った。

 

 

子供だったので、よく解らなかったが、それにしても” ヘクソカズラ ”。

「屁」に「糞」。美しくない言葉だと思った。

 

そしてずっと、その言葉は、祖母の育った地域だけの言葉、いわゆる、方言のようなものだと思っていた。

 

 

成人したある時、本当にヘクソカズラなるものがあることを知った。

 

ウィキペディアに以下の記載がある。

 

ヘクソカズラ(屁糞葛)は、アカネ科ヘクソカズラ属の蔓(つる)性多年草で、至る所に多い雑草。葉や茎に悪臭があることから屁屎葛(ヘクソカズラ)の名がある。古名はクソカズラ(糞葛・屎葛)。別名ヤイトバナ、サオトメバナ。中国植物名では鶏屎藤(けいしとう)とよばれる。

 

 

そして、「ヘクソカズラも花盛り」がローカルな言葉ではなく、ことわざとしてあることも知った。

 

ー いやな匂いがあって、あまり好かれない屁糞葛でも、愛おしい花をつける時期があるように、不器量な娘でも年頃になればそれなりに魅力があるもの ー

 

 

ちなみに、同じような意味のことわざとして、

 

「 鬼も十八番茶(ばんちや)も出花(でばな) 」がある。

 

- 醜いとされる鬼も年頃になれば美しく見え、番茶でもいれたばかりのときにはよい香りがする意から、女の子はだれでも年頃になれば、それ相応にきれいに見え,魅力もそなわるの意。古くは男女いずれにもいった。-

 

 

それにしても、こんなことわざ、身内のことを謙遜して言うのはともかく、他人様を差して使ってよいことわざじゃありません。

 

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コメント: 1
  • #1

    伊藤雅裕 (日曜日, 02 7月 2023 01:23)

    鬼も18、蛇もハタチ、ヘクソカズラも花盛り