家のそばのコンビニで買物。
レジには、いつもいるバイトの女子。
バーコード読み取り機を商品に当てていく。
ロックアイス、ビールに日本酒。
そして最後に、パンティストッキングを手に取った瞬間、所作のリズムが変わった。(ように思えた。)
… … …
つ、つぃ、小声で言ってしまった。
” 靴磨き用 … ”
( バッ、バカ !!! 何考えてんだ )
( よけいな事を言うんじゃないよ)
( 却って不自然だろ … )
その女子は、何も聞かなかったように、淡々と品を袋に入れ、” □□ 円です ” と。
嗚呼、後悔先に立たず …
つまらんことだが、これには訳がある。
先だって、ある自衛隊組織の高級幹部と面談した。
ソファーに座った彼らの半長靴の輝きに目を奪われた。
信じがたいほど輝いていた。
ピカピカ … !? なんてもんじゃない。
まさに ” 鏡面 (ハイシャイン)” 、間違いなく顔が映る。
消防職や自衛官は、よく靴を磨く。
消防はともかく、自衛官の半長靴が輝っているのは色々とマズイんじゃないの … ?
陸自の元高級幹部が教えてくれた。
昔、ピカピカ派と汚れ容認派に割れていた時代があったと。
- 自衛官服装規則 昭和32年2月6日 -
第3条 自衛官は、この訓令の定めるところに従い、正しく制服等を着用し、服装及び容儀を端正にし、自衛隊員としての規律と品位を保つよう努めなければならない。
服装にどれほど気を遣っても、靴が汚れていては台無し。
上から下までビシッとしていなければ、「 端正 」と言えない。
で結局、「ピカピカに」ということになったそうだ。
革靴と言えば、仕事用の黒ばかりが3~4足。
16才の時から、リーガルしか買ったことがない。
高級な靴には、全く縁がない。
汚れれば、クリーナーで汚れを落とし、クリームを塗り、ワックスをかける。
布で拭いて、ブラシをかけ、おしまい。月に一度もやんない。
大抵は、ワックススポンジで済ます。
そんなんでも、一応、道具はそこそこに持ってはいる。
” 鏡面の半長靴 … 俺もやってみるか … ”
” この前買ったダナーのブーツは光るかな ”
で、小一時間ほど磨いてみた。
それなりに光ってはいるが、鏡面にはほど遠い。
仕上げにパンストで磨けば光ったよな …
思いつくと、矢も楯もたまらず、コンビニに駆け込みパンストを買ってしまった。
技術と根気が原因であることは解っていながら …
道は遠い …… つづく
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