- グレイビーソースボートのカレー - 海軍グルメ  vol. 2

 

 

「 護衛艦 いずも 」での会食の冒頭、

艦長が ” 本日は、金曜日ではありませんが、カレーにしました ” と。

 

そして出されたカレーは、金属のカレーソースポットに入れられていた。

 

その景色は、ちょっとしたレストランの様だった。 

 

 

- グレイビーソースボート -

 

 

日本で、一般にカレーソースポットと呼ばれる金属の器は、正しくはグレイビーソースボート < gravy sauceboat> である。

 

イギリスでは、ソースボートまたはグレービーボートと呼ばれるもので、ローストビーフのグレイビーソースや各種のソース用として、昔から今日に至るまで使われている。

材質は、金属に限らず、磁器に陶器、様々ある。

 

そして、その形が、舟形であることが " boat " の所以なのである。

 

日本では、高級ホテルなどでカレー用として、銀製のもの使われてきたが、" もはや戦後ではない " と言われた昭和30年代になると、ステンレス製のものが出回るようになり、これが巷の洋食店に広まっていったのである。

 

 

ー ライスカレーとカレーライス -

 

 

ところで、昔、ライスカレーという言葉が生きていた時代、カレーライスとの違いもまたネタになった。

 

 

諸説ある中で、

 

 ◆ ライスカレー : ライスに、あらかじめカレーがかけられているもの

 

 ◆ カレーライス : カレーが器に入れられて、ライスとは別々に出てくるもの

 

 

というのが多数派で、要するに、ライスカレーはぶっかけご飯で大衆的、カレーライスは少しばかり高級というものであった。

 

グレイビーソースボートも、その高級感を演出した一つである。

 

しかし、今日、ライスカレーは死語となり、ライスカレーもカレーライスも、全てひっくるめて、「カレー」となった。

 

そうは言うものの、今でも、ソースボートでカレーを出す店は、それなりの店であることに変わりはない。

 

 

ー 二つのソースボート -

 

ある時、自分の家でも、少し装ってカレーを食べようと思い、ソースボートが欲しくなった。

 

銀製のものを考えたが、最低でも1万数千円。冗談じゃない、とても買えません。

 

で、ネットで、新潟県燕市ナガオ(有)の製品、ステンレス製、持ち手が簡素な容量280mlのものを買った。1,500円くらいだったと思う。

 

しかし、しばらく使っているうちに、何かしっくりこない。持ち手に飾りのあるものが欲しくなった。

 

 

 

博多区の厨房用品専門店「プロの料理村」で物色。

 

持ち手に飾りのある4,000千円くらいのもを買った。容量は、300ml。無論、ステンレス製だ。

 

この二つ、どちらもステンレス製で、一見、同じようなものではあるけれど、やっぱり比べてみると、雰囲気が違う。

 

やや高級な感じがするような … 

気のせいかな … 

好みの問題か …

 

 

ところで、「いずも」のソースボートも飾りの付いたやつで、たぶん同じものだと思った時、なぜか少し気をよくした。 

 

 

余談だが、カレーをかけるのに使う小さな ” お玉 ” < グレイビー レードル >は、単純な楕円形のものより、玉子のような形の横口の方が使いやすい。

 

 

 

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