『 コペンハーゲン・パーク 』
歌 : 柳ジョージ&レイニーウッド
作詩: 東海林良 作曲: 石井清登
赤いワインをぶちまいた 遠い夕映え背に受ける
湿ったアメリカ 煙草が心にしみる
セーラー気取りの少年は 遠いあの国へ帰ったろうか
それとも今でも一人でいるのか
人の寝入ったチャイナタウンは OH! 誰もがみなし児の天使
素肌に毛皮の女が佇む 一回こっきりの夜をひろい
異国の淋しさまぎらす
裏町酒場コペンハーゲンは OH! 誰もがみなし児のピエロ
苦味のツボルグ一口 飲んでは一回こっきりの夜をひろい
ガラスの器に戻るのか
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1978年、柳ジョージ&レイニーウッドのアルバム「YOKOHAMA」に収録されていた『コペンハーゲン・パーク』。
世界のビールが、少しずつ巷でも飲まれるようになった70年代。
バドワイザー、コロナ、ハイネケン、レーベンブロイ …。
今時と比べれば、僅かなもの。
「コペンハーゲン・パーク」は、デンマーク人が横浜で経営していた酒場。
” 苦味のツボルグ … ” どんな味なんだろう …
数年後、福岡市の飲食店で初めて飲めた時は、少しばかり嬉しかったかな。
横浜育ちの柳ジョージも飲んだに違いない…と。
「デンマークのビール」 北大路魯山人 (青空文庫より抜粋)
ビール好きの僕、相変わらず毎日ビールを飲んでいますが、日本を離れていちばんうまかったのは、ニューヨークのロシア料理店で出された「チュボルク」というデンマークのビールでした。
このビールはコクがあって、日本のどのビールよりもうまいのはもちろん、アメリカ、イギリス、ドイツ、チェコスロバキア、フランスのビールよりもうまい。アメリカのシュリッツというビールも、日本のキリンよりうまい。
アメリカに来ている日本のビールは、かん詰のアメリカビール程度にまずい。ここにおいて、ビールもまた新鮮を尊ぶことを知りました。アメリカで飲んだドイツビールは、評判ほど、うまくありませんでした。これは、長い道中、船に揺られ、汽車に揺られて来るせいで、この長い間に大事なものが抜けてしまうのではないかと思います。
「ビールは大びんより小びんの方がうまい」と始終いっていましたが、こちらに来て、いよいよ僕のこの考え方が正しいことを確認しました。日本を一歩踏み出すと、どこの国でも全部小びんばかりです。日本も一日も早く小びん主義にならなければ嘘だと思います。
つねに傲岸(ごうがん)・不遜・狷介(けんかい)・虚栄などの悪評がつきまとった魯山人の人となりが垣間見える記述です。
友人にもらったツボルグ。
爽やかなボトルに詰められたピルスナー。
粋で、飲んだくれのオヤジがいた70年代。
煙草、R&B、酒 …
そんな時代を懐かしみながら、今宵も酔って候。
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