味千と桂花ラーメンが一つのお店で食べられる、『 熊本ラーメン館 味千拉麺 × 桂花拉麺 半道橋店 』が、2012年11月10日にオープン。
味千ラーメンは、熊本方面でのキャンプの折などに食べるのですが、『 桂花 』は食べたことがありませんでした。
九州のラーメンを考えるうえで、『桂花』は外すことができないラーメンです。
<「ラーメンなら味千パイクー麺 - 味千拉麺 × 桂花拉麺 半道橋店 ->
関東では、白濁した豚骨スープの九州ラーメンを、熊本のラーメンと思っている人がけっこういるといいます。それは熊本のラーメン店『桂花』が、昭和43年に、東京新宿に末広店を開店したのをかわきりに、横浜、渋谷などに次々と店を開き、濃厚な豚骨スープを世に広めたからと言われています。
また、熊本と言えば『味千ラーメン』。熊本市に本店を置くラーメン店チェーン。日本国内で約100店、日本国外では中国や東南アジアを中心に約650店舗、アメリカ、カナダ、オーストラリアにも店舗を展開しています。熊本ラーメン屈指のブランド。
もう一つ、熊本ラーメンで忘れてはならないのが『こむらさき』です。
そして、この三者には、とても深い縁があるのです。
原達郎氏の「九州ラーメン物語」によれば、
- 熊本ラーメンの代表選手は、重光産業(株)の『味千ラーメン』。創業者は、台湾出身の重光孝治氏。重光さんは、木村一さん、山中安敏さんと熊本市内で不動産屋を経営していたのだが、昭和二十八年の大水害で経営不振に陥った。… ー
そして、この三人が熊本でラーメン店を開業するのです。
-三人が深刻に転業を模索したとき頭に浮かんだのがラーメン店であった。……
木村一さんは、昭和二十八年、熊本市妙体寺町に「松葉軒」を開業。この店が、熊本市で初めてのラーメン店。翌年、山中さんが「こむらさき」を開き、その翌年に「桂花」が誕生。この三人が熊本ラーメンの生みの親になったのだが、もし大水害がなかったら、熊本ラーメンの味は大きく変わっていたかもしれない。
というのも、熊本ラーメンの特徴はなんといってもニンニク。ニンニクチップをラーメンに入れることや粉末を振りかけることを最初に考案し、「こむらさき」や「桂花」に教えたのは重光さんだった。重光さんは台湾の出身、中華料理にも精通していたのでニンニクの活用はお手のものだった。 -
ちなみに、『桂花』は昭和三十年に、久富サツキさんが熊本市内に開業。そのラーメンを作ったのは、のちに『味千ラーメン』を大展開することになる重光孝治さんたっだのです。
それから、50年数年。平成22年11月、(株)桂花は、過大な設備投資が経営を圧迫し、民事再生法を申請。
平成23年2月、味千拉麵チェーン本部重光産業(株)が、100%出資で桂花拉麵(株)を設立。
『味千拉麵』は、『桂花』ブランドを消滅から救ったのです。
派手目で単調な外観によらず、店内は、シックで綺麗に作り込まれています。スペースがゆったり取ってあり、見る角度を変えれば、ちょっとしたカフェの雰囲気も感じられます。
『 桂花 』は初めてでしたので、ベーシックな「桂花拉麺」にしました。650円也。
中太麺のうえには、マー油(揚げニンニク油)。豚骨スープの臭みは、全く感じられず、ミルキーなのに淡泊。次回は、桂花で人気の「太肉麺(ターローメン)」を食べてみようと思います。
ちなみに、味千のパイクー麺のスープも飲みましたが、熊本のものより端正に感じました。コクと旨味が十分出ていて、とても美味しいですね。
住まいから味千ラーメンまで、車で7分。この開店は、とても嬉しい出来事です。
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