「日田やきそば」の真実  ~何故 「焼きそば」ではないのか~

「日田やきそば」創設に関連する主要な出来事を記載する。

 

1955年(昭和30年) 角安親氏「想夫恋焼」の原型を発想・考案
1957年(昭和32年) 角安親氏「想夫恋」創業

1985年(昭和60年)「東京グルメ通信 B級グルメの逆襲」(主婦と生活社)が刊行
2000年(平成12年) 「富士宮やきそば学会」設立

2006年(平成18年)「B級ご当地グルメでまちおこし団体連絡協議会」、通称「愛Bリーグ」 設立

2006年(平成18年) 第1回 「B級ご当地グルメの祭典 B-1グランプリ」 開催
2006年(平成18年) 日田のラーメン店 13店舗により「日田やきそば研究会(ラーメン・焼きそばで

          日田を元気にする研究会)」設立
2009年(平成21年) (株)想夫恋、「日田焼きそば」商標登録

2010年(平成22年) 日田やきそば研究会店舗に税務調査

2011年(平成23年) 日田やきそば研究会2店に重加算税を含む追徴課税

2011年(平成23年) 日田やきそば研究会、「愛Bリーグ」本部加盟(正会員)昇
2011年(平成23年) 日田やきそば研究会、料理名「日田やきそば」として、「第6回B級ご 当地グル

          メの祭典!B-1グランプリin姫路」へ出展

2012年(平成24年) 日田やきそば研究会、料理名「日田やきそば」として、「第7B-1グランプリ

          in 北九州」へ出展   

 

 

 

日田やきそばの真実vol.2 ー「B-1グランプリin北九州」イミテーションの粗製濫造 >

日田やきそばの真実vol.3 ー 想夫恋との価格差200円の内実 >

日田やきそばの真実Vol.4 ー「日田やきそば研究会」と久留米ラーメン > 

日田やきそばの真実vol.5 ー『両面焼きそばアペタイト』と日田『三隈飯店』 >  

 

 

「日田やきそば」の看過できない虚言

 「日田やきそば研究会」に関係するホームページ日田・鉄板主義ラーメン共和国には、以下のように記載されている。

 

先ず、
「ここ数年、テレビや雑誌などでも頻繁に取り上げられ、名実ともに日田を代表するグルメとして大人気の「日田やきそば」。その日田やきそばのお店にあって14店舗の店主たちが2006年に 旗揚げした「ラーメン・焼そばで日田を元気にする研究会」。デパートの物産展や日田市の イベントなどでも「日田」を、「日田やきそば」をPRして来た!

そんな店主たちの思いとは?各店の“ラーメン・やきそば”へのこだわりとは?また、そもそも「ラーメン店にやきそばが有る」そのルーツとは?」

 

そして次の記載、

日田のラーメン店には、サイドメニューに何故か「やきそば」があります。
その歴史は、昭和10年代に久留米で生まれた「とんこつラーメン」が、戦後 日田に伝わったのが始まり。 また昭和30年代、当地で新しい製法による 『やきそば』が生まれ(1)地域を越えて、絶大な人気を博すようになりました。

この二つの食の革命が融合し(2)、 日田独特の「ラーメン・やきそば文化」 が生まれた(3)のです。そして、この食文化は時代の中で育まれ、今でも各店それぞれの味へと進化し続けています。」

 

以上のとおりである。

この記載について考えてみたい。
(1)「…当地で新しい製法による 『やきそば』が生まれ、…」
    「当地で」の表現はいかなる意味なのか?そもそも、地域で新しい製法が自然発生的に生ま

    れることなどあり得ない。それは、人が行うもの。

 

      日田をよく知る人であれば誰もが知っている角安親氏が生み出した「想夫恋焼」「想夫

            焼きそば」。この明確なを、意図的に全く無視し、触れようともしていない。

    そして、「焼きそば」を「やきそば」と都合のいいように言葉を改竄しごまかしている。

 

(2)「…この二つの食の革命が融合し…」 

      角安親氏の考案した「想夫恋焼」は革命と言える。一方、久留米の「とんこつラー

     ン」が伝わったことが食の革命なのか。「博多ラーメ ン」もま久留米ラーメ を始

     する説があるが、どこのラーメンでもルーツはあるもの。これを「革命」と言うなら、日本

      全国「革命」だらけである。

       そして、「融合」とはまたお恐れいる。 「想夫恋焼」の模倣、あるいは盗作でしか

            いではないか。

 

(3)「…日田独特の「ラーメン・やきそば文化」が生まれた…」
          確かに、ラーメン店が焼きそばを提供するのは、いかばかりか特徴的と言えるかも知れな

   いが、とりわけ珍しいというものではない。また、「日田のラーメン」ジャーなものでも

   ない。  

    唯一の特徴・共通点は、ブランド力のある想夫恋の焼きそばの模倣品・盗作品を安価提供

   していることで、そのような店が20店舗程もあるという点である。

    

    このうちの14店が、自らこれを「ラーメン・やきそば文化」と名付けて宣伝しているだけ

   のこと。噴飯もの。「…文化」とは、嗚呼… 片腹痛い。

 

     

冒頭のこの一文に、全てが表れている。

 

 「日田のラーメン店には、サイドメニューに何故か「やきそば」があります。」

 

これは誤りである。この集団の人気店では、メニューの1番目は「大盛やきそば」、2番目が「やきそば」、やっと3番目にラーメンが登場する。
それは、ラーメンを売るより、想夫恋の模倣品を売る方が儲かってきたからである。サイドメニューであろう筈がない。そもそもサイドメニューという言葉の使い方から間違っているが。

 

 ※ サイドメニューとは、主に外食産業の現場において用いられる言葉で、主食に対し

         副食、前菜、副菜、デザートなど、主要なメニュー以外のメニューを指す。(出

         典:Wikipedia)

 

そして、「ラーメン・焼きそばで日田を元気にする研究会」と言いつつ、略称ではラーメンがなくなり、「日田やきそば研究会」と称している。彼らはラーメン店ではあるかもしれないが、B-1に出場するのは、模倣品のやきそばの方が都合が良いのである。もうラーメンは重要なものではなくなっているのである。

 

それゆえ次に、『日田・鉄板主義ラーメン共和国』なるものを作り、巧妙に店の色彩をごまかしているのである。
「鉄板主義」とは? 何のことなのだろうか。だれもこれを説明したものはいない。

 

 

 別稿 “想夫恋の焼きそばは「日田やきそば」にあらず” で述べたが、このようなことを、歴史の捏造というのであろう。

 

 『日田・鉄板主義ラーメン共和国』の冒頭、彼らは「ルーツとは」と書いておきながら、結局、到底成り立たないロジックによるごまかしの言葉、虚言ばかりが並べられている。

 それも、極めて稚拙で低レベル。私なら、恥ずかしくて世間様に顔向けできない。

 

 私は、これらのラーメン店が「やきそば」を提供することに異を唱えているものではないし、ましてや、その「やきそば」が美味しくないと言うのでもない。

 

 しかし、このような恩知らずで無恥な行いには、義憤押さえがたい思いである。もし、組織の中に、良識をもち、恥を知る人がいるならば、速やかに改めるべきである。

 

私ならこう書く。

日田のラーメン店には、焼きそばがあります。それには、訳があります。

昭和32年に日田市の角安親氏が生み出した「想夫恋焼」が大評判となりました。私たちは、何とかそのおこぼれにあずかろうと、あの手この手を使ってその麺や製法を盗み真似、類似品を出すようになったのです。

私たちはもっと儲けたいのです。それでこれを「日田やきそば」と呼ぶことにしました。これも成功をおさめた「富士宮やきそば」の手法を真似ました。そして「日田のラーメン店による無恥なる模倣文化」と名付け、活動を行っています。

今、この文化をさらにPRすべく、B-1への出展、身内によるホームページへの書き込み、リーフレットの作成、スタンプラリーの実施など、積極的な活動を展開しています。」

いかがであろうか。  

 

「日田やきそば」申告漏れ 人気の2店、計5000万円超

 

参考までに、西日本新聞が2011年2月8日に報じたニュースを掲載する。

 

庶民的なご当地料理として全国各地で人気を呼ぶB級グルメの一つ、大分県日田市の「日田やきそば」の料理店が日田税務署の税務調査を受け、このうち人気の高い2店が2009年度までの5年間で、計5千万円超の申告漏れを指摘されたことが7日、分かった。

 

B級グルメブームの到来によって売り上げが急増後も、過少申告を続けていた。

 

2店は既に修正申告しており、重加算税を含む追徴課税額は計約1700万円とみられる。

 

関係者によると、同税務署は10年11月に2店に調査に入った。

 

帳簿などから算定した売上額と税務申告した額に、大きな開きがあることを確認。

 

一部の帳簿を廃棄するなど隠蔽(いんぺい)しようとした形跡もあったため、悪質と認定したという。

日田やきそばは、地元に以前からある大手の焼きそば店とは別に、06年に小規模経営の店で結成した「ラーメン・焼きそばで日田を元気にする研究会」(加盟14店)が提供する。

麺が焦げるまで焼くのが特長で、テレビや雑誌で紹介されたこともあり、08年ごろから人気を呼んでいた。

 

過少申告の2店は税理士などに頼まず身内で税務処理し、B級グルメブームで売り上げが急増した後も、ずさんな処理を続けていたという。

 

同税務署は、他の加盟店も一斉に調査。一部の店に対し少額の申告漏れを指摘したとみられる。

 

申告漏れの指摘を受けた店の経営者は「認識が甘かった。とても反省している。一からやり直すつもりで頑張りたい」と話した。

 

「日田やきそば」は私益拡大の手段

 「焼き鳥屋」の集積で、地域おこしを図る久留米市。その人口は約30万人。
 市内に約240店舗、焼き鳥店数は人口1万人当たり約8軒で、その集積は日本一である。
 イベントの開催などにより、「焼鳥屋」240軒の集積が多くの人を集めてきた。

 

 片や、日田市は人口約7万人ほど。
 「日田やきそば」を推進している「ラーメン・やきそば店」は、以下の14店。そう、たった14店店。人口1万人当たり約2軒、全く、比べものにならない数字である。

 

<日田やきそば研究会の構成店>

 ・味の珍さん ・求福軒 ・銀馬   ・三久     ・大学軒       ・泰勝軒

   ・中央軒       ・天龍    ・宝華   ・宝龍軒  ・三隈飯店    ・来々軒

   ・らく亭       ・蔵屋ラーメン

 

 食による地域おこしに関しては、地域特性や地域事情などにより、それに対する考え方も様々である。

よって、「日田やきそば」による地域おこしの是非について論ずるつもりはないが、これを取り巻く状況をつぶさに見れば見るほど、地域おこしのための「日田やきそば」は虚偽・虚構であり、関係者の私益の拡大との思いに至らざるを得ないのである。

 

数年間も悪質な脱税を続けておきながら、事が露見すると、平然と「認識が甘かった」となどと言って世間をたばかる。このような輩が地域おこしを叫んで、どうして信じることが出来ようか。

 

日田市民は、このような不道徳的な集団をけっして容認してならないと思うのである。

 

この点は、先ず日田市長に言うべきであろうか。

しかし、悪質な脱税発覚後、日田市長は彼らの表敬を受けている。行政のトップが、売名の片棒を担ぐとは情けない。知らなかったのであれば愚かであるが、もし知ってのことならば、票欲しさ。これはまた、あさましい。

 

これ以上、真に歴史と伝統文化を有する日田の価値をおとしめしてはならない。

 

 

 最後に一言、恥ずかしくはないのであろうか?

 そしてもう一言、自らの内にいる獅子身中の虫、煽りそそのかしを行う輩をもう一度冷静に見極めていただきたい。

 

 

 

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