日田やきそばの真実　Vol.3 　－想夫恋との価格差200円の内実　－

B-1グランプリ in 北九州に出展した「日田やきそば研究会」、『日田焼きそば想夫恋』の模倣店14店の集団である。

彼らの店の「やきそば」の値段を見てみると、非常に奇異に感じる。
まるで価格カルテルのように、統一性が見られる。

・味の珍さん 650円　・求福軒 650円　・銀馬　 650円　・三久 650円

・大学軒 600円　　・泰勝軒　 650円・中央軒650円　・天龍　650円

・宝華650円・宝龍軒600円　　・三隈飯店 650円・来々軒 650円

・らく亭 600円・蔵屋ラーメン 650円

見事である。

付け加えると、ラーメンは、やきそばが650円の店は550円、600円の店は500円、全く同じように揃っている。こうも値段が揃っているのは、訳があるのである。

「もうそろそろ、どうですか？」

日田やきそば研究会加盟14店の、いわゆる " 並 " の「やきそば」のやきそばの値段は、650円が１１店、600円が３店、価格設定はこの二つのみである。

そして、想夫恋本店の焼きそばは、840円。模倣店との差は約200円である。

昔からずっと、この様な価格差が続いてきた。

時に、模倣店の店主達は、(株)想夫恋に対し言っていたのである。

「もうそろそろ、どうですか？」。

これは「もうそろそろ、想夫恋の焼きそばの値段を上げませんか？」の意味である。

「日田やきそば研究会」店が、想夫恋に値上げを持ちかけていたのは何故なのか。

かれらの店の「やきそば」の価格は、一般的な経営手法によって決められているものではない。

－　想夫恋の焼きそばが食べたい。しかし、840円はちょっと…。

－　類似品は？ 750円。想夫恋と大して変わらない。想夫恋にしよう。

－　650円なら？違いは200円か。 …模倣品で我慢するか。　

想夫恋と模倣店の200円の価格差は、模倣店の店主達が考えた、彼らのやきそばに客が払ってくれる最高の額と想夫恋との差額である。

要するに、200円は安くしないと食べてもらえないということである。

であるから、想夫恋が値上げすれば、それにスライドさせて自分たちも値上げする、儲かる。

それは、同じ製造原価で利益だけが大きくなるからである。

そして、もっと儲けたいと思うから、値上げを持ちかけていたのである。

本気で、客に美味しいものを安く提供しようなどと露程も思っていないのである。

そしてまた、仲間内のある店が、例えば500円で「やきそば」を提供し、客がその店に流れては困る。だから、皆で統一的な価格を決めるのである。実にいじましい。

地域おこしを叫びながら、裏では談合まがい。そして脱税。

「日田やきそば研究会」の研究対象とは、一体何なのであろうか？

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　－平成24年　9月－

＜P.S.＞

2019年10月の消費税引き上げに伴い想夫恋焼の値段が改定され、想夫恋焼並840円は、870円となった。

これを見た日田やきそば研究会の店の多くが、650円から680円に値上げしている。

＜日田やきそばの真実vol.1　－何故、「焼きそば」ではないのか　－＞

＜日田やきそばの真実Vol.4　ー「日田やきそば研究会」と久留米ラーメン　－　＞　

＜日田やきそばの真実vol.6　ー赤猫「日田焼そば　萬天楼」＞

＜日田やきそばの真実vol.7　ー大たわけの日田市観光協会　ー＞