想夫恋焼で使用しているのは、ラードです。
開店時間に想夫恋のお店に入ると、くぼんだ鉄板の上でラードが温められている光景を目にします。
ラードは、その風味の良さから中華料理をはじめ様々な炒めものに使われ、“ トンカツはラードで揚げたものが一番美味しい ” という方も大勢います。
一方で、このラ-ド、少し前までは、動物性脂肪、飽和脂肪酸を多く含む、血液中のコレステロールを上昇させ、動脈硬化を誘引する。また、心筋梗塞など様々な生活習慣病を引き起こすといった誤った認識が流布されていました。
さて、かつて売られていた食用油に「健康エコナクッキングオイル」という商品がありました。
花王から1999年に発売されたこの商品は、食用油として初めて当時の厚生省より特定保健用食品(トクホ)の許可を受け、中性脂肪が上昇しにくく、体に脂肪が付きにくいとされて、市場で大きな支持を受けていました。
ところが、安全性の問題により2009年10月8日、同許可の失効届を提出し、製品の販売を中止、自主回収したのでした。
このような状況の中、食品、環境、医療などの諸問題について執筆しているジャーナリスト渡辺雄二氏により『食べて悪い油 食べてもよい油』が出版されたのです。
(紹介文)
体に有害な油「トランス脂肪酸」と「酸化油」はファストフードや外食の揚げ物、マーガリン、菓子などに幅広く含まれている。
本書は日常よく買う食品や食用油など87品を3段階の危険度別にガイド。
コレステロールを上げる油と下げる油とは ?
植物性なら安心か ?
トクホの油は本当に効果的 ?
トランス脂肪酸はなぜ危険 ?
どの油がおすすめか ?
― “ 食べて悪い油 ” と “ よい油 ” を見きわめて、危ない油から身を守る。 -
内容は、ある意味とても衝撃的です。
私がそれまで何気なく食べていたものの少なからずが「食べて悪い油」あるいは、
その油を使った食品だったのです。
例えば、【 食べて悪い油 】とされたものを一部あげてみると、
・ケンタッキー・フライドチキン(オリジナルチキン)
・マクドナルド(チキンマックナゲット)
・ミスタードーナッツ(フレンチクルーラー)
・カップヌードル(日清食品)・サッポロ一番・塩らーめん(サンヨー食品)
・ジャガリコ・サラダ(カルビー) ・柿の種・わさび(亀田製菓)
・ビスコ(江崎グリコ)・ネオソフト(雪印乳業)
・ラーマ・バターの風味(Jーオイルミルズ) …etc.
読んだ時は、本当に驚きました。
そして、家でもよく使うラードは、この本の中で「食べて悪いとよいの間の油」とされ、次のように記載されています。
ー ラード(ベル食品) ー
ラードには、飽和脂肪酸のパルミチン酸が20~29%、ステアリン酸が5~14%含まれています。また意外と、不飽和脂肪酸が多く、オレイン酸が40~50%リノール酸が1~5%含まれています。…
パルチミン酸がやや多いので、悪玉(LDL)コレステロールが上がることが心配されますが、オレイン酸がその2倍近く含まれているので、相殺されることが期待されます。
代表的なベル食品(札幌市)のラードは、200gで176円ですから、それほど高くはないでしょう。コレステロールが気になるところですが、100g中に100mg(ちなみに鶏卵は100g中420mg)と、思ったほど多くはありません。(一部抜粋)
ラードのコレステロールのことを心配するより、普通に食べているマーガリンの方が、とんでもなく危険だということになります。
これを読んでから、外では、マック、ケンタッキー、ミスタードーナッツ、居酒屋チェーンの揚げ物も食べなくなりましたし、家で、雪印のネオソフトを使うこともなくなりました。
想夫恋で、どのようなラードが使われているかわかりませんが、ラードは、古くなって酸化が進んだものや質の悪いものだと調理の際に嫌な匂いがします。
想夫恋焼を作るときに香るよい匂い考えると、鮮度のよい良質なものを使っていると思うのです。
ラードあっての想夫恋、ラード抜きにあの味は出せません。
『 食 』はトータルに考えなければなりません。いわゆる、“木を見て森を見ず”、“ 部分適合、全体不適合 ” 的な食生活では、健康を考えていることにはならないのです。
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