熊本県南小国の瀬の本交差点から、国道442号を竹田市方面へ少し走った高台に、 スカイパークあざみ台 』がある。
標高1038mの展望台に立つと、阿蘇五岳、祖母山、久住山が一望できる。
この施設が整備されてから、かれこれ30年近くになるだろうか。
オープンした頃、「あざみ台」のネーミングを見て想ったのは、植物の「アザミ」。
きっと、「アザミ」が群生していたからかな … そんなことを想像した。
数年後、書籍名は忘れたが、阿蘇・久住の郷土史に「あざみ台」の由来が記されていた。
「あざみ」は「字見」である。つまり、「 字 (あざ) 」を「見る」ところだと。
へぇ~、そういうこと …
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都市部だとあんまり馴染みがないが、農山村だった地域を記す住所は「大字(おおあざ)」と「字(あざ)」に分けられる。
ざっくり言うと、大字は江戸時代の村を継承した範囲・地名で、字は大字より小さい集落のまとまりにつけられた地名だ。
その起源は豊臣秀吉が行った太閤検地まで遡り、元々は年貢を徴収する田畑を管理するために付けていた記号のようなもの。
これが江戸時代に各地の集落が拡大すると、人々が住んでいる場所でも村名の後ろに字が付き始め、やがて、☆☆の国○○郡 ◇◇村 字□□などの住所として定着していったものと言われている。
ちなみに、これに類する地名に「国見」がある。
国見は、天皇や地方の王が高い所に登って、国の地勢、景色や人民の生活状態を望み見ること。
そしてこれが農民の間にも広がり、1年の農事を始めるにあたって、その年の豊穣を予祝した春の農耕儀礼となる。今の花見の起源ともいわれている。
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かつて、春ともなれば、人々は、食べ物や酒を携えて「あざみ台」に登り、眼下に広がる田畑を眺めながら、盃を交わしたのだろうか。
久住高原でテントを張ったのは、1年以上も前。
ちょっと迷惑だったキャンプブームも、ようやく落ち着いてきたようだ。
今年こそは、久住高原にテントを張って、のんびり過ごせるといいが …
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