いよいよ秋も深くなってきた。
山を歩いて、麓の温泉へ。
露天風呂で山並を眺めながら、ゆっくりと心身をほぐす。
温泉は、源泉掛け流し。
少し熱めの、サラッとした湯が好きだ。
そのあとの熱燗がまたいい。
※ ※ ※
” 源泉たれ流し … ” ふと思い出す。
いやいや、” たれ流し ” じゃなくて ” 掛け流し ” でしょ。
20年ほど前、書店の旅行コーナーを歩いてて目を疑った。
『 源泉垂れ流し … 』のサブタイトルが付いた温泉本が並んでいた。
冗談 ? たれ流しはないんじゃないの …
今はもう見かけないけど、以前は複数社そんな本があったのです。
『 垂れ流し 』とは、他から受け取ったり内部で生成したりしたさまざまなものを貯蔵・処理することなくそのまま放出し続けることをいう。 <ウィキペディア>
この意味からいえば、『源泉垂れ流し』が絶対的に誤りだとは言えない。
が、汚水垂れ流し、汚物垂れ流し、赤字垂れ流し、情報垂れ流しなど、『 垂れ流し 』という言葉は、好ましくない状況・状態で使われることがほとんどだ。
風情ある趣を期待する温泉に、『 垂れ流し 』という言葉を使ってはすこぶる興醒めだ。
一般の人が使うのを咎め立てするつもりはない。
しかしこれが、書籍の類いとなると …
1冊の本が出版されるまでには、出版社、作家・ライター・編集者、グラフィックデザイナー、校正者・校閲者など、それなりの人間が関わる。
不思議なのは、そうした人達は何も感じなかったのかということ。
ついでに言えば、『 源泉たれ流しの温泉 』と紹介された旅館やホテルの関係者は憤慨したのではないかと思う。
まぁ、それはさておき、源泉掛け流しの露天風呂 …
いいよねぇ … 行きたいな …
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